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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

窓の外の風景を見て、もうすぐ家に着いてしまう事に気付いた。

あーあ。この時間ももう終わりか…。

そんな事を思っていると、タクシーの運転手さんが

「あーあ。この先工事してるから、ちょっと揺れますよ」

「はい」

課長が返事して、しばらくすると車がガタガタとバウンドし始めた。

揺れますよ、って軽く言っただけなのに!!

シートに両手を突っ張って、何とか堪えようと頑張ってみる。

何でこんなに長い距離、ガタガタなのよ!!

「北方さん、大丈夫!?」

課長が声をかけてきた。

「はっ、はいっ!!」

返事をするので精一杯。

そのままシートに力を掛ける。

すると、スウッと振動が抜け、タクシーがアスファルトの上を走っているのだと気付いた。

「お客さん、大丈夫だった?」

運転手さんが呑気な口調で聞いてくる。

「ああ。この頃工事多いから仕方ないな」

「春先は予算使うために無理矢理やってるからねぇ」

課長と運転手さんで世間話を始め…何の気なしにそれを聞いていたら。

…あ…ヤバイ…かも…。

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