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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

「あっ…あの!!…クシュン!!」

やだ。何でこのタイミングでくしゃみが出るのよ!?

「寒い?春先は冷えるからな」

コートを脱いで、あたしを包むように肩にかけると、課長はぽんぽんと頭を優しく撫でてくれた。

何?どういう展開?

夢じゃないの!?

今の状況が信じられない。


…でも。

課長の匂いと、肩の温かさが、これは現実なんだって主張していて…。

神様。今日で最後だから。

甘えても許してもらえますか?

あたしは課長の肩に頭を預けて目を閉じた。

…あったかい…。

このまま委ねちゃいたいくらい気持ちいい。

髪を滑る指がほんの少しくすぐったいのも。

頬に当たる肩が思いのほか厚くて、安定しないのも。

泣きたいくらい幸せで嬉しくて。

課長。

本当に…ホントに大好きです。

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