テキストサイズ

ショートラブストーリー

第1章 真由美

カチャン…と小さくドアの閉まる音がして

見回すとがらんとした店内はとっても静かだった。

「あ…あれ?スタッフさんは?」

「今日は暇でね。早じまいして帰ったとこ。俺しかいないから安心して」

どくん!と心臓が跳ねる。

高橋さんはあたしをカウンター席に座らせると、隣の椅子に座った。

「あ、何か飲む?カフェラテ入れようか?」

あたし、首を振って断る。

二人きりだって妙に意識しちゃって。
こんなときなに飲んでも落ち着かないよ!!

「そっか…。真由美ちゃん、俺で良かったら悩み聞くよ。…言ってみ」

そんな優しい言葉を顔を覗き込むように言われたら…あたしの心臓、ドキドキしすぎて壊れちゃいそうだよ。

「あ…あの、ね」

どうしよう!!怖い!!逃げたい!!

でも…今までにないくらいのチャンスだって分かってる。

ずっと機会を狙ってたんだもん。頑張れ!!あたし!!

「好き、なの」

言った!…でも声震えてる。ヤバい!!泣きそう…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ