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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

そりゃああたしだって、男の人の部屋に行ったら…しかも彼氏なら、そうなる可能性とか考えなくもなかった。

実際、なんとなくそんな雰囲気になって、抱きしめられてキスしたりはすっごくドキドキしたし、気持ちよかった。

だけど。

「初めてだから…」

って言ったのに!!

いざコトが始まったら!!

「痛っ!!友喜、やだっ!!待って…っ!!」

「ごめ…も、止まんない」

「やだっ!!いっ…!!!」

思いっきり体を2つに裂かれてるみたいな激痛に、あたしは涙を流した。

「祐香ちゃん、ごめん。すぐ済むから」

友喜は謝りながら…でもあたしを押さえつけてる手の力が緩むことも、打ち付ける腰の動きも止まることもなかった。

「やだっ!!もうやめて…!!」

苦痛と激痛と、あたしの気持ちを一切無視して行われてるセックスに、悲しくて苦しくて…怒りが湧いた。

「もうちょっと…もうちょっとだから…っ」

こんなのはレイプと一緒だ。

自分の欲望のはけ口にあたしを利用してるだけ。

ついに絶頂を迎え、果てた友喜。

「ごめん、痛かった?大丈夫!?」

「…大丈夫なわけ、無いでしょ!!」

あたしは思いっきり友喜を平手打ちした。

「やめてって言ったのに!!何でやめてくれないの!?あたしの事、ほんとはどうでもいいからでしょ!?」

「祐香ちゃん…?」

打たれた頬を押さえて呆然としてる。

でもそんなのであたしの怒りは収まらなかった。

「どいてよ!!…もう嫌!!別れる!!」

友喜を押しのけて服を着始めると、慌てて

「ごめん、本当にごめんなさい!!」

深々と土下座してる。

「許して下さい。俺、何でもするから!!」

そんな姿にあたしの中に何かが芽生えた。

「あんたなんか彼氏じゃない…下僕よ」

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