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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

「祐香、こっちこっち」

恵実の声に、ぼうっとしたまま歩いてた足を止める。

「どうかしたの!?」

「…ねぇ、恵実。新開町のプリムローズってお店、知ってる?」

「え?…うん。すっごく人気で予約でも1ヶ月待ちってとこだよね?」

突然の問いに戸惑いながらも教えてくれて…

「じゃあ、ホーシェルは?」

「ホットショコラの店?よくテレビでやってるよね」

「あ…やっぱりそうなんだ」

実は2件とも最近友喜に連れてってもらった店なんだけど。

お店の佇まいといい、雰囲気といい、普段気軽に行けるような感じじゃなくて。

やっぱり有名なお店なんだ。

「もしかして…高い店?」

「…じゃない?行ったこと無いからわかんないけど…」

あたしはスマホで店舗検索して価格を確認した。

「…嘘でしょ…?」

あたしの予想をはるかに上回る価格設定に、頭を抱えた。

友喜、一体いくら使ったんだろ。

だからバイト増やしてるの?…あたしの為に…?

違う。

「あたしの…せいだ」

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