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ショートラブストーリー

第6章 祐香(ゆか)

あたしが喜ぶと思ったから、雑誌やメディアで取り上げられてるお店に連れていって…

だけど、あたしは意地張って全然喜んでなんてあげなかったのに!!

「何で友喜はあたしの為にそこまでするんだろ…」

恵実は頭に手を当ててため息を付いた。

「好きだから、以外の理由はないんじゃないの?」

恵実の言葉に、あたしの目から涙がこぼれた。

「何で泣くのよ!?」

「だって…あんまりにもバカみたいで…」

バカだよ、ほんとにバカ。

あたしも…友喜も。

「そんな泣くくらいなら、早いとこ仲直りしなよ!?」

呆れたような顔で諭す恵実に

「そんな…簡単に言わないでよ」

いまさら『ごめん』だけじゃ済まされないよ。




その夜、友喜から電話があった。


「祐香ちゃん?今度の土曜日なんだけど」

「あ、あたし、用があるから」

「あ、そっか…。じゃ、日曜日は?」

「日曜も無理!!忙しいから。じゃあね!!」


急いで通話を切って。

スマホ両手で持って大きなため息を付いた。

こんなの良くないのは分かってるけど。

友喜に負担かけないために、どうしたらいいのか。

その答えとして

会わない

それしか思い付かない自分の頭の悪さに嫌になる。

「何でこんなことになっちゃったんだろ…」

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