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おれのペット

第8章 病院2





「お おいっ

 なに泣いてんだよ…」




話を聞いていた
咲は涙を流していた





「…ごめんね…

 私…何も覚えてない

 何も…思い出せない…」




そして声をあげて泣いた。




咲は自分のことを

こんなに責めていたのか…



胸が苦しくなる…




昔のおれなら

戸惑っていたかもしれない



でも 今は…





おれは そっと



咲を抱きしめた…






「いいんだよ…

 覚えてなくても…」




「おれは咲が…

 笑顔でいてくれるだけで

 いいんだよ…」






「…ありが…と…」





咲は小さな声でそう言った。







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