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まとまらないお話たち

第6章 6

黙ってさっさと「じゃあな」って帰れば良いのに。
「じゃあ…別なことで親切にして下さい」
早く、早く終われ。
君村との会話が終わってほしい、早く。
目的のものはもう手に入ったんだし、早く帰りたい。
早く我が家に帰って加藤の声が聞きたい。
……別にそれ程好きじゃない、はずなのに。
それ程今までは好きじゃなかったのに、どうして急にこんな?
アンクレットをなくしてから急に不安になった?
「別のことってなんだよ」
「別のことです」
「わからないなぁ」
「わからないならそれでいいです」
「へーえ……」
「……」
「……。さようなら」
言ってから今度こそ返事を待たずその場を去った。
去ってから気付いた、別に君村の去りなんか待ってなくても自分で帰れたことを。
けれど帰らずに〝オシャベリ〟に夢中になっていたのはなぜ―――?

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