まとまらないお話たち
第6章 6
――――先生私のこと好きなの?
「は……?」
ハル子の投げた言葉が頭の中をグルグル回る。
俺が? このガキを? はっ…冗談じゃない。
「バカなこと考える間に、直せよ」
知らずとこいつの前だと口調が崩れる。
なぜだかわからないが今日この時ばかりほど、この生徒に鬱憤を感じたことはない。
14のガキの癖してなんて生意気な……高校生じゃあるまいしスカート丈を短くするなど。
しかも朝は「ちゃんと」していたところを見ると…こいつ絶対わざとしたに違いない。
「じゃあなんで私だけ呼び出したんですか? 3年生の先輩方の中にもいたんじゃないんですか?」
「あいつらはいいんだ。もうすぐ卒業だから」
「訳わかりませんね。じゃあ2年生もすぐ卒業になるんでいいじゃないですか」
確かに滝本が指摘したとおり、今の言葉は少しおかしかったかもしれない。
「……とにかく直せよ。それを見て1年がマネをしたらどうする? この学校の風紀が乱れる」
「これぐらいで風紀なんか乱れませんよ。先生みたいなエロ男が目のやり場に困るだけじゃないですか?」
「!」
〝エロ男〟。
わざと白い歯を出して笑いながら言った滝本。
その言葉に、自分の脳内の奥…どこかが切れる音がした。
くるりと背を向け去ろうとする少女の腕を掴む。
「お前っ―――――――!」
怒りにまかせて少女の体を引き、視界に入ったテーブルに…。
「きゃっ、な、に…っ」
その手前にあった椅子を乱暴に倒すようにどかし、テーブルの上に投げるように、仰向けにその体を倒した。
「お前、どこまで俺をおちょくったら気が済むんだ!」
怒鳴る。
掴んだ手首に力が入った。
そのせいか女生徒は痛みに顔を歪ませて、
「はっ…放して、先生…!」
『お願い許してっ…』
変なAVの、聞いたこともないセリフが君村の頭の中で響く。
怯えたような表情…お互い荒い息……ふと視線を下に向けると、嫌らしくスカート丈がまくれあがっており、その白い太ももが丸見えになっていた。
前に切った傷はきれいに治ったのか…見えない。
「――――」
ゾクゾクとした奇妙な感情が、鎌首を擡げる。
「君村先生…っ!」
「……そうだ、そう呼べばいいんだよ」
甘い懇願。
桜色の唇は、なんだか艶やかで色っぽく……。
「――――!?」
顎先を掴み、生意気な口を塞いだ。
「んッ……!」
目を見開き、自由な片手で抵抗してくる“生徒”を。
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