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まとまらないお話たち

第3章 3


大事な書類、というのは簡単に言うと5月の新委員紹介やらなんやら、そういう関連の仕事で。
生徒会も勿論、入れ替わったときには一足先に全児童の皆様には一通り自己紹介しましたが。
それ以外の委員会の紹介が、今度の5月の終わり。
…そういえば新任の先生の紹介もその時とか言っていたっけ。
こちらもまた中学時代にお世話になっていた数学の小久保先生。
他はまともでも唯一数学だけがいつも赤点ギリギリの私を、他の先生みたいに怒ったりなんだりしないで温かい目で見守ってくれてた。
時には親切に勉強を教えてもらったり……おばさんだったけど、お母さんとも思える人で。
最高にいいひとだったのに…ああ、転勤だなんて。
なんて悲しいのだろう。
「湯野?」
「あっ、はい…!」
頬杖をついて考え事をしていたのに今更気付いて赤面。
ああ、またも周りの視線が…。
「例の集会の司会、湯野にやってもらっていいかな?」
「は、はい、もちろんです…!」
でも視線は、ほとんどは会長ファンの一部の女子だけだし。
それ以外はさっきみたいに私が大幅に遅れたりなんだりしなければ……大丈夫。
「ありがとう。じゃあ後で原稿渡すから」
後で…つまり、今日もまた残るということで。
どういう訳かわからないけれど、私の声は会長いわくイイ声みたいでいつも司会に廻される。
生徒会での役柄は書記の書記の、一番下っ端の方で。
司会とか重い役柄は本来副会長とかの仕事なのに(それか代議員(代理議員)とか)。
そして司会が読む原稿は集会ごとに毎回少し違うので会長の目の下、いつも微妙に変えている。
……これがまた、ファンクラブの怒りの炎を燃やせるには、いいタネなんだよね。
まぁ……、会長にそれが知られてしまったことで公に手を出してくる人はいなくなったから今は心配しなくていいんだけどね。

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