まとまらないお話たち
第4章 4
せめて自分がここを去る時ぐらいでも、店主は見送ってくれるだろうか。
受付&支払いの時以外姿を見せない男に、些かそれさえも信頼できなかったが。
ふと、そのようなことを考えてしまったのはなぜだろう。
「!」
客室へ続く階段を登ろうとした時、脇から来た影にそれを遮られた。
「―――――一体、なんのつもり?」
こちらに向かい深く頭を下げる少女に問う。
「あのっ…旅人なんですよね!? 旅をしているんですよね!? なら、どうか……どうか、私も一緒に…!」
「断る。俺がお前を連れて行く理由は一切ないからな」
旅に出るなら1人で出ろ、と言って彼女の横を通ろうとすると。
またも前方の道を塞がれた。
「正体を明かしたら、変なこと考える人とかいるかもしれないじゃないですか…!」
逆にあんたを人質にとって金を強請ったり?
「……だったら、俺だって例外じゃないんじゃない? ―――仮にも、男なんだし」
身を屈ませてその耳元に低く囁くと、ぶるっと彼女は体を震わせたあと。
熱い息を吹き掛けられた首元を強く押さえた。
「…え…?」
「頼るんなら、同じ女を頼った方が良いと思うよ」
こいつ、今言った言葉の意味もわからないのか。
…まぁ、ガキじゃまだ無理もないけど。
というか、そういう気は全くないけど。
「と、とにかく今頼れるのはあなただけなんです! お願いします、次の大陸に渡るまでの間でも良いんで―――」
彼女が言いかけた時。
ふと聴こえた複数の足音。
なぜこの時だけ妙に聴覚が鋭くなったのかはわからないが…。
「(……ったく)」
舌打ち一つ。
「…あっ」
脱いだフードをもう一度被らせ、その腕を強く引く。
受付&支払いの時以外姿を見せない男に、些かそれさえも信頼できなかったが。
ふと、そのようなことを考えてしまったのはなぜだろう。
「!」
客室へ続く階段を登ろうとした時、脇から来た影にそれを遮られた。
「―――――一体、なんのつもり?」
こちらに向かい深く頭を下げる少女に問う。
「あのっ…旅人なんですよね!? 旅をしているんですよね!? なら、どうか……どうか、私も一緒に…!」
「断る。俺がお前を連れて行く理由は一切ないからな」
旅に出るなら1人で出ろ、と言って彼女の横を通ろうとすると。
またも前方の道を塞がれた。
「正体を明かしたら、変なこと考える人とかいるかもしれないじゃないですか…!」
逆にあんたを人質にとって金を強請ったり?
「……だったら、俺だって例外じゃないんじゃない? ―――仮にも、男なんだし」
身を屈ませてその耳元に低く囁くと、ぶるっと彼女は体を震わせたあと。
熱い息を吹き掛けられた首元を強く押さえた。
「…え…?」
「頼るんなら、同じ女を頼った方が良いと思うよ」
こいつ、今言った言葉の意味もわからないのか。
…まぁ、ガキじゃまだ無理もないけど。
というか、そういう気は全くないけど。
「と、とにかく今頼れるのはあなただけなんです! お願いします、次の大陸に渡るまでの間でも良いんで―――」
彼女が言いかけた時。
ふと聴こえた複数の足音。
なぜこの時だけ妙に聴覚が鋭くなったのかはわからないが…。
「(……ったく)」
舌打ち一つ。
「…あっ」
脱いだフードをもう一度被らせ、その腕を強く引く。
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