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まとまらないお話たち

第4章 4

さり気無く彼女の顔色を伺えば、前よりはだいぶ良くなっていた。
「(例の場所まで…どれぐらいかかるか…)」
それによっては今互いに身につけている、石の力の発動時間も変わってくる。
自由に外したりできるのかはしらない、けれど両親はずっとつけていた訳ではないし、まぁ…自分が生まれてもうかなり経っていたからかもしれないが。
―――とにかく、今の間はこの体は彼女のもの。
生と死を共にした…彼女が死ねば自分も死ぬ。
彼女が自分と同い年になるまでは、一時的にその成長も止まる。
(勿論それも、人間が老いるにつれ考えるようになる、「自然死」という宿命を共にするため)
最初に力が発動したときのように、不老不死になれるのだからある意味は便利だと、喜ぶところなのかもしれない……その分、少女に纏うリスクを考えなければ。
……運命の者には、話すことが決められている。
それこそ夫婦となることが決まっているような関係だからかもしれないが、
「(…話さなくて…いいよな)」
変に重んじられて、その行動を狭めるようなことがあっては、あれだし。
自分はこの後彼女とは「別れる」つもりでいるけれど、もしそれを拒んで自分といることを彼女が望んだとしても。
話さない………他に〝運命を共有する人〟がいる彼女には。
「(…ましてや金持ちの男には)」
昔から目がない、女というものは。
過去にこんな地味な男と付き合ってられるかと、別の男についた女がいたが(元から別れるつもりだったのでその時は感謝していた)確かに婚約という言葉なんて今の彼女を縛り付けるようなものでしかないのかもしれない、けれど落ち着いて…大人にでもなれば。
これ幸い、なんという吉事だろうと喜ぶに違いない。
隣国の王子といえばこの国でも色々と有名だから聞いたことはある、……名誉も地位も財産も、何もかも持っていて、しかも美少年だと聞いた、…結構なことじゃないか。
歳も近いらしいし、話も合うだろう。
彼女とて、それを聞いたらすぐに返事をするに違いない。
けれどあえてそれも言わない、これから自分で知ってもらおう。

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