まとまらないお話たち
第5章 5
「(ごめんなさい、リンさん! 私まだっ…)…ん、…」
くぐもった声を発したところで、コンコンコンとドアを叩く音。
「………」
リンの手がす、と離れる。
そのまま体の上の圧力がなくなったのでレピアは体を起こした。
顔に手をあてて「あ~あ」という感じで溜息を吐くリンがそこにいたが、あえて目を向けない。
恨みがましげに睨んでいることはわかったので、ベッドから離れレピアはそそくさとドアへ向かう。
そして閉めた覚えのない内鍵を開け、
「……メイちゃん」
彼女を呼んだ自分の視界が、安堵心から歪んだ。
「どうしたの、リンに何かされたの?」
訊いてレピアの肩越しにメイが部屋の中を見ると、
「ち…なんでもねーよ」
女バージョンの不機嫌そうな声が返ってきた。
「なんでもない訳ないでしょう!」
「あっ、あのメイちゃ…」
レピアの横をすり抜け、メイはずかずかと部屋に入ると、リンに詰め寄る。
「女の子泣かせるなんて、一体何を――」
「………」
つ、とリンが視線を流したのでメイの視線も流れる。
「!!」
2人の見た先にあるもの――レピアはすぐにそれを取ろうと駆けだしたが、
「わっ、」
何もないのにつまずいて、
「ぶ」
前のめりに倒れてしまう。
「まっ、まさかあなたレピアさんに……っ」
「未遂。指も挿れさせてもらえな」
「やめてやめてっ、そんなこと言うのっ」
正面からぶつけた痛みに耐えながら顔を上げると、耳に両手やりながらぶんぶん顔を左右に振るメイがそこにいて、
「……つーか、おまえ人のこと言えねェだろ」
ぴっ、とリンが指を立てると、2人の間に風が吹く。
さして強い風ではなかったが、それはメイの僧衣の裾をふわりとまきあげ――
「!」
る寸前で、メイがなんとか片手でそれを阻止するのと、もう片方の手でリンの頬をはたくのは、ほぼ同時だった。
「………」
「リンのバカっ」
「……」
あ、あれ?
…そういえばドア開けた時、メイの顔、心なしか赤かったような。
それに、自分よりも裾が短いからと用心のために穿いているズボン、なかったような。
「(…?)」
えっ、…あ…れ?
体、起こしたが。
2人のもとに行けないでいるレピア。
「…いいよな。すぐに発散できるヤツはよ」
リンがぽそりと呟く。
するとタイミングがいいのか悪いのか、
「おー…い。メイ。帰り遅いけどどうしたー?」
レピアの背後で、ロウの声。
くぐもった声を発したところで、コンコンコンとドアを叩く音。
「………」
リンの手がす、と離れる。
そのまま体の上の圧力がなくなったのでレピアは体を起こした。
顔に手をあてて「あ~あ」という感じで溜息を吐くリンがそこにいたが、あえて目を向けない。
恨みがましげに睨んでいることはわかったので、ベッドから離れレピアはそそくさとドアへ向かう。
そして閉めた覚えのない内鍵を開け、
「……メイちゃん」
彼女を呼んだ自分の視界が、安堵心から歪んだ。
「どうしたの、リンに何かされたの?」
訊いてレピアの肩越しにメイが部屋の中を見ると、
「ち…なんでもねーよ」
女バージョンの不機嫌そうな声が返ってきた。
「なんでもない訳ないでしょう!」
「あっ、あのメイちゃ…」
レピアの横をすり抜け、メイはずかずかと部屋に入ると、リンに詰め寄る。
「女の子泣かせるなんて、一体何を――」
「………」
つ、とリンが視線を流したのでメイの視線も流れる。
「!!」
2人の見た先にあるもの――レピアはすぐにそれを取ろうと駆けだしたが、
「わっ、」
何もないのにつまずいて、
「ぶ」
前のめりに倒れてしまう。
「まっ、まさかあなたレピアさんに……っ」
「未遂。指も挿れさせてもらえな」
「やめてやめてっ、そんなこと言うのっ」
正面からぶつけた痛みに耐えながら顔を上げると、耳に両手やりながらぶんぶん顔を左右に振るメイがそこにいて、
「……つーか、おまえ人のこと言えねェだろ」
ぴっ、とリンが指を立てると、2人の間に風が吹く。
さして強い風ではなかったが、それはメイの僧衣の裾をふわりとまきあげ――
「!」
る寸前で、メイがなんとか片手でそれを阻止するのと、もう片方の手でリンの頬をはたくのは、ほぼ同時だった。
「………」
「リンのバカっ」
「……」
あ、あれ?
…そういえばドア開けた時、メイの顔、心なしか赤かったような。
それに、自分よりも裾が短いからと用心のために穿いているズボン、なかったような。
「(…?)」
えっ、…あ…れ?
体、起こしたが。
2人のもとに行けないでいるレピア。
「…いいよな。すぐに発散できるヤツはよ」
リンがぽそりと呟く。
するとタイミングがいいのか悪いのか、
「おー…い。メイ。帰り遅いけどどうしたー?」
レピアの背後で、ロウの声。
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