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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第3章 弐の巻

―公子、正直なのは大切なことだが、自分の思ったままを口にするのは時として相手を傷つけることがある。残念だが、そういう場合が多いのは確かなことなのだよ。そんな時、自分は幾ら相手のためを思って口にしたとしても、その言葉は相手を気遣うどころか、かえって相手への侮辱とも受け取られかねない。よくよく気をつけることだ。
 安子からしばらく声はなかった。

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