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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

 突然、遅すぎる初潮を迎えてしまったあの日。あのときの出来事はいまだに公子を居たたまれない想いにさせる。あの男―大嫌いな男の前でよりにもよって月のものを迎え、みっともなく意識を失ってしまった。あまつさえ、その男に抱き上げられて、この部屋まで運ばれてきたのだという。
 もう、死んでしまいたいと思うほどの恥ずかしさだ。

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