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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第5章 四の巻

「止めて、触らないで」
 ふと帝の視線が自分の脚に注がれているのを見て、我に返る。烈しく抵抗したために、薄い夜着の裾が捲れ上がって、白い脹ら脛が露わになっていた。
 舐めるように脹ら脛を見つめる帝の視線が怖い。公子は狼狽え、乱れた裾を直そうとする。

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