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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第6章 伍の巻

「それでなくとも、これまで書物なぞにとんと興味のなかった私が頻繁に本を借りてゆくものゆえ、伯父上は何かあると怪しんでいるようです。ましてや、漢籍など持ち出せば、何か勘づかれないとも限らない。まあ、女子どもの読むような他愛もない物語であれば、伯父もまさか、姫がお読みになるのだとは思いもしないでしょうからね」

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