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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第6章 伍の巻

「ヘン、この女は俺たちが見つけたんだ。返せと言われて、はい、そうですかと、あっさり返せるか」
「その方は、お前たちのような者が容易く触れて良いお方ではない」
「けっ、どこの貴族のお姫さまかは知れねえが、俺たちにゃア、そんなことはどうでも良い。その身体で俺たちをしっかりと愉しませてくれりゃア。それで十分なんだよ」
 里丸が淫猥な笑みを刻むと、公之は腰にはいた太刀をおもむろに抜いた。

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