妹萌えフラグ
第1章 妹の思春期
「おはよ…」
妹、ユイと会話するのは何日ぶりだったか…。と、頭のなかで逆算してしまった。
「お、おう」
俺の名前は、リュウ。
自分で言うのもなんだが、ごく普通の高校2年生だ。
「階段…」
「へっ?」
気まずい沈黙を破ったのはユイの方だった。
「下、降りるのに邪魔だから、どけて」
そう言われて、慌てて廊下の端による俺。
ユイは、2歳下で中学3年生の俺の唯一の妹である。
少し茶髪がかったセミロング、細すぎず太すぎない白い足。
美人と言うよりは可愛い系。
ふくれすぎず、ハムスターのような丸顔。
もぎたてのリンゴのような色とツヤの唇。
ツンとした態度の妹の後ろ姿を見て、俺は小さくため息を吐いた。