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もっとして♡

第1章 最高で最低な彼


孝「ちっ…さっさと座れよ」

孝先輩が不機嫌そうに言った。

「っ…わかりました…」

ストッ

あたしはお母さんの隣に座った。

裕「凛ちゃん…だったよね?ごめんね…急に食事って言って呼び出して…」

裕志さんは困った様に、でも優しい笑顔で言った。

ほんとに優しい人なんだろう。

優しさが滲みでてるから。

「いえ…こちらこそ、わがまま言ってすみませんでした。」

あたしは少し俯きながら言った。

母「裕志さん、ほんとにうちの子がごめんなさいね…」

裕「いえいえ。凛ちゃんとうちの息子って同じ学校なんだよね?輝一とは同じクラスって聞いたけど?」

ギクッ…
今、その話題ふるー?!!

母「あら!そうだったの!?凛!」

お母さんまで…

「うん…」

裕「うちの息子、学校ではどうかな?自分から全然、話してくれないからさ。何でもいいから凛ちゃん教えてくれない?」ニコッ

教えてって言われても…

あたしの目線は三兄弟へ向く。
な、なんか、三人ともあたしを見てる…

一応、うまく言っとくか…
悪く言うと後が怖い…

「学校では三人とも凄く人気でモテモテですよ」ニコッ

あたしは無理やり笑顔を張り付けた。

裕「そうなのか!」アハハハ

「それより‼お母さんと裕志さんの話しを聞きたいなぁなんて…」アハハ

あたしの話題が来ないように無理やり話題を変えた。

母「そう?じゃあ、話してあげる♪お母さんと裕志さんが出会ったのは会社なの。裕志さんが上司で…」

それから長々と話し出した。

まぁ、大体をまとめると、裕志さんは優しい上司で、今、43歳。お母さんが42だからあんまり変わらない。
で、両想いだったらしく、一年前から付き合ってたらしい。
向こうの奥さんも交通事故で亡くしてるらしい。
これからは、藤木家に住まわしてもらうらしい。

と、まぁそんなもん。

だんだん飽きてきたなぁ…

「お母さん、ちょっとトイレ行ってくるね」

母「勝手に帰らないでよ?」

「そんなことしないよ」

そう言いながらあたしはトイレへ向かった。

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