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もっとして♡

第5章 シェアハウスのお兄ちゃん

…ズルッ

あたしは膝が砕けて、座り込みそうになった。

が、

ガシッ

彪にぃが身体を支えてくれた。

彪「大丈夫か?」

彪にぃがあたしの顔を覗き込みながら心配そうに聞いてきた。

愛「はぁはぁはぁ…ぅん…」

荒い息を吐きながら、返事をすると彪にぃは素っ気なく「そうか」と言って顔をあげた。

隼「あぁーあ、もうちょいだったのに」

残念〜と、とても残念がってない。むしろ楽しんでるような隼人にぃの声が聞こえたから顔をあげてみたら…

ペロリとあたしの愛液がついた2本の指を舐めていた。

バチッ

しかも、目が合ってしまった。

愛「ッ!///」

すぐに目を逸らすが、顔が赤くなってるのは丸分かりだろう。

隼「しっかしさぁ、自分の嫉妬心でお楽しみの所を堂々と邪魔するなんて、羽宇琉も恋愛については冷静じゃなくなるんだなー。

ま、いつも愛海に関することは余裕無いか!」

クスクスと笑いながら話す隼人にぃにまたあたしは顔をあげた。

だ、だって今。

聞き捨てならない事が聞こえたような…

羽「何を馬鹿な事言ってんだ。俺は愛海が嫌がってたから止めただけだ」

少し怒った羽宇にぃだ。

別に可笑しな所は無い。

クスクス

また、隼人にぃが笑った。

けど、今度は目が笑ってない冷たい笑顔。

隼「……綺麗事。いつまでそう言えるかな?」

ビクッ…

あたしはビビってしまった。

何ていうか、隼人にぃの殺気…に…。

隼人にぃが羽宇にぃを睨んで、普段出さない低い声を出した。

隼「なぁーんてな☆どお?俺のマジギレした風☆」

あ…いつもの隼人にぃだ。

まるで、さっきの隼人にぃが嘘のように今はいつもの馬鹿そうな隼人にぃになってる。

羽「お前…」

隼「俺さ、我慢できねぇわ!って事でお兄ちゃんごっこ、一抜け〜!

あ、智昌が一抜けか!じゃあ俺は二抜け〜

…ぐわっ」

彪・羽「!!!?」

ギュッ

あたしは隼人にぃが言ってることを無視して、抱きついた。

隼「お、おい。どうしたんだよ急…に…」

隼人にぃはあたしの顔を覗き込んで固まった。

隼「な、んで…泣いてんだよ…」

そう。

あたしの頬には涙が伝っていた。

何でって?それは…

愛「な、んか…あんな隼人にぃ初めて見たから…ちょっと…悲しくなっちゃった…っていうか…怖かったっていうか…」

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