禁断兄妹
第66章 罪と罰
「───君‥‥柊君‥‥」
揺すられる感覚に
我に返った。
「寝るならベッドで休んだほうがいいわ。ね?」
俺は
ダイニングテーブルに突っ伏すようにして
いつの間にか眠っていたらしい。
時計を見ると
四時
一時間ほどが経っていた。
「いや‥‥萌のいる病院に行ってくる。悪いけど萌の着替えを用意してくれないか」
自分が行くと言う美弥子をなだめ
父さんを見守っているように頼み
俺は熱いシャワーを浴びて眠気を振り払うと
病院へ向かった。
タクシーの車窓から
まだ暗い空を眺めながら
父さんの顔も見れないまま
逃げるように出てきてしまったと思った。
逃げる
どこへ
俺は萌に逃げている訳じゃない
愛しい萌の名を
胸に繰り返してるだけ
ただ
愛しているだけ
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