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禁断兄妹

第66章 罪と罰



息を呑む
一瞬の静寂の後

部屋に
胸をえぐるような絶叫が
響いた。


糸の切れた人形のように
ベッドに倒れこみ
号泣する萌を

俺は
肩で息をしながら
見下ろしていた。


触れることはできない

近づく
ことさえも


「中に萌の着替えが入っています‥‥すみませんが、着替えさせてロビーに連れてきてもらえますか」


家から持ってきたバッグを
放り投げるようにベッドに置き
俺は病室を出た。


暴れてる心臓

身体は熱く燃え盛り
俺は歩きながら
コートの前を引き裂くように開けた。


───どうして頭を怪我しただけでこんなことになるの?!全然わかんないよっ!!───


───来ないで!!!───



萌の記憶は

このまま戻らないのか


どうして
こんなことになる


どうして

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