禁断兄妹
第67章 罪と罰②
「どうしたらいいの‥‥私のせいで、まさか修斗が、そんな───」
「どうしたらいいんでしょうねえ」
両膝を叩くように手を置いたツトムさんは
ゆっくりと立ち上がった。
「嬢が今お心を痛めていらっしゃるなら、その痛みこそが嬢への罰なんでしょう。
どうぞ甘んじて受け止めてください」
返す言葉もなくて
しんとした部屋の中に
携帯の着信音が鳴り響いた。
ツトムさんは私に一礼し
携帯を取り出しながら部屋を出て行って
残された私は
その場に座りこんだ。
「修斗‥‥」
心臓が
ドクドクと音を立てている。
修斗
あの大きな手
初めて触れた時
燃えるように熱かったこと
今でもはっきりと
覚えてる。
ゴツゴツとした
長い指
よく手入れされた指先
もし一本でも
失うようなことになったら
どうしよう
修斗のこと
柊君のこと
頭の中が
ぐちゃぐちゃで
息が苦しくて
考えが
まとまらない
「由奈ぁ、入るぞー」
ノックの音と共に聞こえた
鷹揚な声
ドアが開いて
「‥‥おじいちゃん‥‥」
後ろにツトムさんを従えて部屋に入ってきたのは
おじいちゃんだった。