禁断兄妹
第67章 罪と罰②
「お願いなんてできる立場じゃないことは重々わかっています。でもこれが本当に最後のお願いなんです」
「ふふっ。まあ聞くだけ聞こうか」
「ふたつあるんです、ひとつは───」
「ふたつある?!アッハッハ、本当に図々しいな。うちの若いもんなら半殺しだぞ。
最後にふたつか。いっそ愉快だな。よし、言ってみろ」
おじいちゃんは私の前にやって来ると
笑いをおさめ
腕を組み
私を見下ろした。
怖い
でも
もう
決心は
ついている。
「柊君の、一ノ瀬柊君の身の安全を、保証してくれませんか。
昨日、修斗が復讐をほのめかせて出ていきましたが、修斗も、組の誰も、柊君には手出ししないようにして欲しいんです」
「例の若造のことか。ふん。もうひとつは」
「修斗が今回の件の責任を取って指を落すことを、禁じてください」
「なるほどな。
結論から言おう。そのお願いはどちらも叶えてやれん」