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事も無げに即答されたところへ
ツトムさんが戻ってきた。


「おう、早かったな。そこ置いとけ」


おじいちゃんは私から目を逸らさずに
顎だけを動かした。


「‥‥まずあの若造のことだがな。
　わし自身はあいつをどうこうする気はねぇが、うちの組のもんがどう動くかは別の話だ。
　わしはやらせもせんが、止めもせんわ。組の統率は修斗に任せてあるからな。

　それと、もうひとつのお願いだけどな、そりゃ修斗が決めることだ。
　あいつがケジメつけるって言うならわしは止めん。好きにすりゃあいい」


当然だと言いたげな口調

暗に
柊君への報復も
修斗が責任を取ることも
肯定している。


「本当に、本当にこれが最後のお願いです。
　おじいちゃんの言うことなら修斗も組のみんなも絶対に従ってくれる。おじいちゃんにしかできないことなんです」


「確かにわしにしかできんだろうな。
　だがお前の指図で動くほどわしはめでたくないわ。諦めろ」


「指図じゃない、お願いです。
　柊君と修斗が傷を負うことがないようにしたいの、悪いのは全部私で、二人は何も悪くないから‥‥っ」


「どいつもこいつも自業自得じゃねえか。
　お前も、若造も、修斗もな。阿呆ばかりだ」


「おじいちゃん！！」


「もうその話は終わりだ。ほらメシでも───」


「私はっ、私はもう、住むところもないし、仕事もないし、何もありませんっ！！」


おじいちゃんの声を遮るように
声をはりあげた。


「本当に何もないの‥‥なくなっちゃったの‥‥

　でも、これでやっと目が覚めました。こんなバカな私だけど、これからはおじいちゃんや組の役に立てるように生きていくから‥‥っ」


おじいちゃんの眉が
動いた。


「どうか私をここに置いてください。家のこと、組のこと、何でもやります。
　お掃除でもお料理でも、会社の事務でも店のキャストでも、私にできることなら何でも一生懸命やるわ。やらせてください！」


「ふうん‥‥？」


「これからはおじいちゃんに安心してもらえるように生きていきます。

　だから、だから‥‥最後のお願いだけは叶えてください‥‥っ！！」