
禁断兄妹
第67章 罪と罰②
「確かに着てたわ‥‥背も180以上ある‥‥」
私の答えに息を飲んだ和虎君が
苦しげに息を吐き出して
そうか、そういうことか、と呻いた。
恐ろしい予感に
ざわざわと鳥肌がたつ。
「どういう意味?!柊君に何かあったの?!」
「柊兄は無事だ。柊兄はね。
由奈、実は今、柊兄と一緒に病院にいるんだけど───」
「一緒にいるの?!」
柊君に代わって
そう言おうとした
瞬間
「えっ、柊兄?!
ご、ごめん由奈、ちょっと待ってて!」
突然和虎君が
驚きの声をあげて
走る靴音と
誰かを制止するような言葉が
聞こえた。
何が起こったの
頭が混乱して
心臓の音がうるさくて
よく聞こえない。
携帯を強く耳に押し当てて
向こう側の音だけに
意識を集中した。
『‥‥最低なのは灰谷、お前だろうが!!‥‥』
柊君
声を荒げて
何か言っている。
ケンカ‥‥?
『よく黙っていられたな?!萌があんな目にあったのを知っていたのに、よく平気でいられたなあッ?!』
今
柊君
モエって
言った‥‥?
‥‥モエ‥‥?
