禁断兄妹
第67章 罪と罰②
「灰谷、お前知ってたんだな‥‥?!知ってたのに、黙っていやがったんだな‥‥っ?!」
怒りと失望で
卒倒してしまいそうだ
「いきなり殴りかかるとは、野蛮で最低な人間だな」
俺を睨みつけながら
唇を手の甲で拭う灰谷
落ち着き払った態度は
全てを知っていたことを
物語っている。
「最低‥‥?」
喘ぐように
震える声を吐き出した。
震えは全身を揺らし
立っているのが
やっと
「最低なのは灰谷、お前だろうが!!
よく黙っていられたな?!萌があんな目にあったのを知っていたのに、よく平気でいられたなあッ?!」
「柊兄、外に行こう?ね、ここじゃまずいから外に───」
「話せ!!お前が知っていることを今すぐ全部話せっ!!」
「話したくない、と言ったら?」
「お前の口引き裂いてでも、吐かせてやる!!」
「また暴力か!」
灰谷が声を荒げた。
「思い通りにならないと力ずくでどうにかしようとする。萌さんが絡むと特にそれが顕著になる。
あなたがそんな人間だから、話せないんだ!」
「なっ‥‥なんだとコラァッ!!」
「やめろって柊兄!!とにかくここじゃダメだ!!」
俺は羽交い締めにされたまま
物凄い力で病院の外に引きずり出された。