禁断兄妹
第72章 君が方舟を降りるなら②
三学期が始まる前日
ダイニングテーブルを挟んで
お母さんとお兄ちゃんと向かい合って
私はお母さんから
お父さんとの恋物語を聞いた。
最初に私に話をした時はその場にお兄ちゃんはいなくて
お父さんが全部話をしたけど
今回は私の口から話すわねって
そして性に関することも
この物語を話す上で避けて通れないから
包み隠さず話すつもり、と前置きして
お母さんは話し始めた。
その物語は
私の想像を遥かに超えていて
声も出ないほどの衝撃
お兄ちゃんには
夏巳さんという本当のお母さんが他にいて
もう亡くなっていた
お父さんは再婚だった
でも私とお兄ちゃんは
お父さんの子供‥‥
お母さんは何度も言葉を詰まらせて
声を震わせて
それでも私をしっかりと見つめて
心を込めて話してくれた。
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