禁断兄妹
第73章 君が方舟を降りるなら③
「柊兄オヒサ‥‥以心伝心だ」
一月の終わり
ニューヨーク行きの話の進捗を報告しようと
和虎へ電話をした。
大晦日に会って以来だから
俺達にしては久しぶりの会話
「何かあったか」
「うん。まさに今電話しようと思ってたんだ。
でも、柊兄も何か話があったんじゃない?先に話していいの?」
和虎の声に熱を感じて
胸騒ぎ
「俺は、例のニューヨーク行きの話。お前の話の後でいい」
「じゃあ、話すね。
さっき、霧島組の人間と電話が繋がったんだ。由奈の実家の、霧島組」
「えっ‥‥?!」
「萌を襲った奴の側近らしい人物と話ができた。短かったけどね。聞きたいことは聞けたよ」