
禁断兄妹
第78章 恐れずに進め
「お正月は柊さんも帰って来てたんだよな。楽しかった?」
「大晦日の日に帰って来て、三泊したんですけど、翼のテンションがすごくてドタバタあっという間でした」
「翼君柊さんのこと大好きだもんな。柊さんにべったりな感じ?」
「はい。膝から降りないし、一緒にあれしようこれしようって離れなくて。でも兄は翼のことをすごく可愛がってるしあんまり会えないから、ずっと相手してくれてた感じです」
「やーん、優しい!想像しただけでカッコいいー!」
たかみちゃんは相変わらずお兄ちゃんの大ファン。
「一ノ瀬は?柊さんとゆっくり話をしたりできた?」
「うーん、ハイテンションな翼の印象しかないです‥‥」
「うう、もったいなさすぎだよ萌ちゃん!」
ごめん翼を隠れ蓑にして
本当は違う
美しく煌めく切れ長の瞳と
何度も視線を結びあって
時が止まるような瞬間を
重ねていた。
優しく
強く
時には熱く絡み合うように
気がつけば
お互いに視線を求め合っていた
二人にしかわからないように
何度
も
