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禁断兄妹

第80章 つがいの鳥②



無言のまま
私達は三階に戻って来た。

いつも以上の疲労感に
思わずため息をつく。


「‥‥ルンタッター、ルンタッター」


手を繋いだままの臨一朗が
突然ワルツのリズムを口ずさみ
もう片方の手を私の背に回し
踊り出す。


「ルンタッター、ルンタッター、はい由奈ちゃんもお足動かしてー」


「‥‥」


「ブンチャッチャーのほうがいい?」


「ふふ」


いつもこうして私を笑わせようとする
だから
私は笑う。

臨一朗は
自分の額を私の額にコツリと当てた。


「‥‥お風呂入ってさっぱりしよっか。リンが由奈ちゃんのお髪を洗ってあげるね」


「うん」

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