禁断兄妹
第80章 つがいの鳥②
臨一朗は私にくるりと背を向けると
ライティングデスクへ歩いていき
開けた引き出しから取り出したのは
一丁の拳銃だった。
「!!」
思わず
息を呑む
そんなすぐ取り出せるようなところに
私の目の前で
シリンダーに装填されていた弾を
ばらばらとフローリングの上に全部落として
今度はその内の一つを拾い上げ
シリンダーに込めた。
「リン君‥‥?」
臨一朗は無言のまま
カチャリカチャリと慣れたように手を動かし
そして
シリンダーを回した。
「どうせ昔から死にたかった。後悔はない」
無表情にそう言って
銃口を
自分のこめかみにあてた。
「由奈ちゃんの運を試して。リンの頭が吹っ飛ばなければ、行ってもいいよ」
Tシャツ姿の腕の筋肉に
もう
力が
「リン君!!」
その腕に
思い切り飛びついた。
「うわっ!!」
フローリングの上に二人で転がって
私は馬乗りになった臨一朗の手から
万力の力で拳銃をむしり取って
「やめろ由奈!!!」
自分のこめかみに当てて
そのまま引き金を引いた。
「うああああっ!!!」
臨一朗の絶叫の中
カチリ、と
金属音がした。
はず
れた