禁断兄妹
第83章 つがいの鳥⑤
「味見として、一口なら」
修斗はもぐもぐと口を動かしながら
自分が食べていたおにぎりを私の口元へ伸ばし
食ってみろ、というように
顎を動かす。
家族のような振る舞いが
嬉しくて
私は思い切り口を開けて
おにぎりにかぶりついた。
「嬢、一口がでかすぎる」
「うぅ、おい、ひい」
「は?もう一回言ってもらえますか?」
身体を揺らしてクツクツと笑う修斗の肩を叩いた。
移り変わっていく日々の中で
奇跡のような今を
大切に生きていきたい
そして今は
修斗とのこの時間を
大切にしたい