禁断兄妹
第83章 つがいの鳥⑤
私達は夜景を眺めながら
色んな話をした。
私のフランス行きの話から
こんなお店を持ちたいという夢の話
そこから
好きな料理
好きな飲み物
話は次々に広がって
尽きなかった。
七年間も会っていなかったことを忘れるくらい
こうして二人でいることを
自然に感じた。
「修斗って自分から全然喋らなかったし、こんな風にお喋りできるなんて思ってなかった」
「嬢が俺に興味がなかっただけでしょう」
「そうとも言うけど、何が好きでも嫌いでも修斗は修斗だから、関係ないように思ってた感じ。
でもすごく興味がわいたわ。ねえ、修斗って彼女いるの?」
「特定の人はいない」
「不特定多数いるってことね。やっぱりその筋肉はモテたいが為なのね」
「違うと言ってる」
「好きな女性のタイプって、どんな人なの?」
「別に。特にない」
「バカな女は嫌いだって言ってたわよね。それと熟女好きよね。頭のいい熟女がいいのよね」
「確かにバカな女は大嫌いです」
「あんた今思いきり私を見て言ったわね。いいのよ、よくわかってるわ」
修斗は楽し気に目を細める。
「しかし熟女好きという情報は間違っている。年齢は関係ない」
「私が一度修斗に会いに行ったクラブ、あのママとできてたんでしょう?ママはあの時で五十近かったじゃない。それに修斗の家にあったエロDVDが熟女系ばっかりだったっていう話も聞いたことがあるんだけど」
「くだらないことを知ってるんですね。
霧島が手掛けている店のママは全員俺と関係がある。全部が年増な訳じゃない。DVDは店の売り物で、自分のものではなかった」
「あっそ。そういうことにしておくわ」
「本当です」