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禁断兄妹

第84章 愛してない



止めていた息を吐きだし
緊張の糸が切れると
動きを止めていた修斗の指も
緩やかに抜き取られて

私はぐったりと
修斗の胸にもたれかかった。


「はあ、はあ、はあっ」


心臓が早鐘のように鳴っていて
息が切れて

久しぶりの絶頂の余韻は
まだ続いている


「とても美しかった、嬢‥‥」


修斗は私の耳や首筋に口づけながら
髪を撫で
私の息が整うまで
そのまま待っていてくれて

そして
私から身体を離すと
脱ぎ捨てられていたスーツのジャケットに手を伸ばし
そのポケットから
避妊具を取り出した。


「そんなところに入れてるのね‥‥」


ぼんやりしながら言ったら


「さっきコンビニで買ったものだ」


「ベッドになかったの‥‥?」


「ここに女を連れてきたことはない」


言いながら
避妊具をつける修斗

猛々しく反り返っているそれは
さっき見た時よりも
大きさを増しているように見える。

臨一朗の子供のような柔らかい自身に見慣れていた目には
あまりにも刺激が強過ぎて
私は身体ごと
視線を逸らした。

どうしよう

どうなってしまうんだろう


「嬢」


横を向いていた顔を
両手で包むように前に戻されて
口づけられた。


「優しくする‥‥」


見透かされてる


「やめてよ‥‥処女じゃないわ‥‥」


私の言葉に
修斗が微笑む。


「俺にとっては、初めて会った十三歳の時のままだ。ずっと純粋な子供のままだ‥‥」


包み込むような言葉と
口づけ


「修斗‥‥」


修斗の瞳に
私はそんな風に
映っているの

愛してない

ただ
泣きたく
なる

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