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禁断兄妹

第86章 時を越え運ばれし手紙、それは運命の書



「要‥‥?あの霊感がある男か?」


長く頭に上ることもなかった名前が出て
また驚かされる。


「うん。七年ぶりに電話して、ヒントをくれって、ただ一言伝えたんだ。あいつなら、俺が柊兄と萌を結びつける為のヒントを欲しがってるって、わかってくれると思ってね。
 そしたら、テカニじゃなくて手紙だってヒロに伝えてみろって教えてくれたんだ。俺は何のことか全く思い出せなかったけど、それをすぐにヒロに伝えた」


次々と現れる
俺と萌に関わりの深い人物達
まるで導かれるように
繋がってゆく


「ヒロは俺の言葉を聞いて、すぐに七年前の事件と結びつけた。ヒロはあの時萌が何を訴えたかったのか、今までずっと気になっていたらしくて。
 奪われた手紙の重要性に思い至った俺とヒロは、その手紙を取り戻そうと作戦を練ったんだ」


和虎は練り上げた作戦のもと
霧島組の組員と電話で接触し
聞き出した由奈の婚家を灰谷と一緒に訪れて
由奈に直接協力を求めたという

由奈は実家の霧島組と絶縁状態にあったらしいが
和虎の求めに応じて霧島組へ出向き
組長から手紙を取り戻し
和虎の手に返還され
今に至るということだった。

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