禁断兄妹
第86章 時を越え運ばれし手紙、それは運命の書
謙太郎君。
いや、昔のように謙と呼ばせてくれないか。
直接会って話をしたいと思っているが、もしそれが叶わなくなった時の為に、この手紙を書いておく。
俺は胃ガンでもう末期状態にある。この命が尽きるのも、今日か明日かという状態だ。
この命が尽きる前に、方をつけたいことがある。
本題から言おう。
謙。君は俺と夏巳が結婚してから十日ほど経った頃、夏巳と会ったか?
その時に、君は夏巳を抱いたか?
もしそうなのだとしたら、柊が君の息子かどうか、DNA鑑定をして欲しい。
今更何を言い出すつもりだ、あり得ない、狂ったか、君は笑うだろうか。
君にとって夏巳は血を分けた妹だ。君と夏巳は兄妹だ。俺だってそれは百も承知だ。
どうして俺がこんな途方もないことを言い出すに至ったのか、君に話そう。