禁断兄妹
第87章 バッドエンドの続き
「さてと‥‥」
俺は携帯を取り出すと
迷わずダイヤルした。
「はい」
要
この前ママの携帯からかけた時に
番号を自分の携帯にも落としこんでおいた。
「オヒサ、要」
手紙だとヒントをくれた要に
感謝を伝えたかった。
要が教えてくれなければ
何も動かなかった
「また泣いたんだな」
からかうような
笑いを含んだ声
「勝手に見ないでくれる?」
「見せつけるなよ。妬けるじゃないか」
「今も見てたのか」
「ああ。振り返ってごらん」
「はあ?!」
振り返った視線の先に
立っていたのは
「嘘だろ‥‥」
「東京に戻る必要があったから、君に会えるかと今日に合わせたんだ」
五十メートルほど離れたところに
要が立っていた。
携帯を通して届く声
この目に見える
七年ぶりの要の姿
「要‥‥」
涙が溢れ
声が震えた。
「うん」
「ヒントを、ありがとう‥‥」
「うん。君が喜ぶことなら俺も嬉しいね」
「お前今どこ住んでるんだよ‥‥」
「ロンドン」
「何それ‥‥知らなかった。何も知らねー‥‥」
そっちは俺のことあれこれ知ってるだろうけど
俺は
何も知らない