テキストサイズ

禁断兄妹

第88章 ギフト



「鼻からゆっくりと吸って‥‥口からゆっくりと吐いて‥‥呼吸の度に体の力も抜けていきますよ‥‥あなたはリラックスして、寝ころんでいますよ‥‥」


ゆっくりと吸って

ゆっくりと
吐いて‥‥

いつものように
自分の部屋のベッドで
眠りにつく感覚を
思い出す。


「そうです。ゆっくりと吸って‥‥吐いて‥‥体の力も抜けていきますよ‥‥そうです、心地いいですね‥‥」


昨日はなかなか寝付けなくて
眠ったのは朝方
リラックスするほどに
眠りにつくほんの少し手前のような
ふわふわとした感覚
先生の声がとても心地いい


「リラックスしながら‥‥私の声に耳を傾けてくださいね。ご自分のペースでいいので、あなたの心の中の、深いところへ入っていきましょう‥‥」


「‥‥はい‥‥」


「これから私が、ゼロから十まで数を数えます。数が増えるにつれて、あなたは少しづつ、心の奥の‥‥深いところへ入っていきますよ‥‥体の力も抜けていきます‥‥」


はい、と答える自分の声が
かなりぼんやりしていると
感じる。


「ゼロ‥‥いち‥‥にー‥‥」


数を聞いていると
エレベーターみたいに
上がっていく

心の深いところへ下りると言うよりも
どんどん軽くなって
上がっていく
ような

ストーリーメニュー

TOPTOPへ