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禁断兄妹

第88章 ギフト



───会話をすると体力が消耗するのは事実だな‥‥───


ひらり

暗闇に舞い降りた花びら


───でも、お前の声を聞いていたくてね。
 弘至君の話でも何でもいいから、喋ってくれると嬉しいよ───


あっ

これは

この花びらは


───じゃあ、色々話すけど無理に会話しようとしなくていいからね。
 目を閉じて黙って聞いててもいいし、途中で寝ちゃってもいいよ───


ああ
そうだわ

お父さんは私の声を聞いていたいって言ってくれて
それで私は
灰谷さんのこととか
話し始めて


───若い人が夢に向かって頑張る姿はいいものだよ。お父さんは好きだな。
 柊も、モデルだけで食っていこうとしてる。トップモデルがあいつの夢なら、応援したいね───


───萌の将来の夢はなんだい?お菓子屋さんだったかい───


ひらり
はらり

舞い降りてくるもの

夢中で受け止める

両手を広げて


───おや、フルート奏者?初めて聞いたぞ。これは寝ていられないな───


そう言いながら
体を起こす姿


「お父‥‥さん‥‥?」


見えた

その瞬間

記憶の花吹雪に

包まれた

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