無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「到着ー」


君島さんはベビーベッドに赤ん坊をそっと寝かせた。
包んでいたタオルケットを掛け布団のように直しながら
まだ寝てるのーとか、話しかけてる。

父さんも一緒になって
嬉しそうな顔をして覗きこんでいる。

さっさと席に着いた俺は
その様子を冷ややかな目で見ていた。

起きたらうるせーから寝かせとけばいいのに

舌打ちを堪える俺を
君島さんが振り返って笑顔で手招きする。

いや別に見たくないし


「起きたよー」


あんたが起こしたんだろうが

礼儀は欠くなと言った父さんの言葉を思い出し
再び沸き上がる舌打ちを堪えながら
俺は立ち上がってのろのろとベビーベッドに近づいた。

君島さんが身体をよけて
こっちこっち、という仕草をして
俺を子供のすぐそばに立たせようとする。

だから

別に興味ないんすけど