禁断兄妹
第9章 運命の出会い
俺はガキを抱いたまま席に着いて
閉じた両足の上に椅子のように座らせた。
ガキは機嫌良く俺の胸に背中を預けている。
「ごめんね、重いだろうから、少ししたらこっちに座らせよう?」
君島さんが俺の横に子供用の椅子を置く。
「あ、はい」
ガキがテーブルの上のグラスに手を伸ばした。
「‥‥飲むのか?」
俺の声にこくんと頷く小さな頭
口元にグラスを運んでやると
自分でもグラスを持って
身を乗り出すようにして口をつける。
こぼさないようにグラスを支えながら
ガキの顔を横から覗きこむと
真剣な顔で
ごくごくと勢い良く飲んでいる。
寝起きで喉が渇いてたんだな
ふふ
すげー飲んでる
満足したのか
ガキはグラスから口を離した。
「もういいのか?」
「うん」
「萌ちゃんありがとうは?」
向かい側に座っている君島さんが声をかける。
「‥‥ありあとぅ」
「はは、どういたしまして」
やべ
笑っちまった