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禁断兄妹

第9章 運命の出会い


俺は前を向いているガキの頭を撫でた。

細くて柔らかな髪
片手で掴めそうなくらい小さい頭は
妙に暖かい
すげー気持ちいい

頭を撫で続ける俺を
ガキが振り返る。

長い睫毛に縁取られた大きな目が
瞬きもせずに俺を見上げる。

こんなに小さいのに
母親に似ているとわかる
明らかに整った顔立ち

きゅっと閉じられてる赤い唇が
なんとも愛らしい。


「はは、ごめん。嫌か」


俺が手を引っ込めて笑いかけると
ガキは照れたのか目を逸らして
黙ったまま又前を向いた。

俺が再び撫で始めると
くるっと振り返る。

面白くて何度も繰り返していると
今まで無表情だったガキが
何度目かに振り返った時
満面の笑顔を見せた。

楽しそうに体を揺らしながら
小さな白い歯を見せて、キャキャッと笑う。


「‥‥面白い?」


ガキは目をキラキラさせながら
こくんと頷いた。

はは
だめだ
もう我慢できねー

めっちゃ可愛い

すげー可愛い

あはは
なんか
笑けてくる

このガキ
いや


お前可愛い
可愛いよ
すげー可愛い

こうやって膝に乗せて
ずっと撫でていたい

笑った顔を
ずっと見ていたい
そんな風に思っちまう

思い出した

昔から犬が飼いたかったんだっけ

はは
そんなこと言ったら怒られるな

でも犬はもういらないや
萌がいれば充分なんじゃねーかな

なんてね

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