禁断兄妹
第91章 禁兄 The Final~Love Never Dies~①
美しい瞳を煌めかせて
私を熱く見つめる柊へ
溢れる想いを続けた。
「夏巳さんとKENTAROさんは、兄妹だったんだよね‥‥?」
「そうだよ」
柊は穏やかに頷く。
禁忌の関係だった二人
二人は今日
時と空間を越えて愛を伝えあうことができたけれど
この世界では
離れ離れになるという運命をたどってしまった
「私達も禁忌の関係だけれど、私は何も怖くない‥‥
私は二十歳になったの。成人した一人の人間として、私は私の意思で、柊と愛し合う道を選ぶわ。そう決めてるの‥‥」
宣言するように言葉を紡ぎながら
胸がどうしようもないほど熱くなって
涙が溢れそうになる。
滲む柊の姿
揺れて
私へと伸ばされた大きな手
「萌‥‥」
優しく頬を撫でてくれる手を
自分の頬に押しつけるように
両手で包んだ。
世間的に私達は
連れ子同士の再婚による兄妹
結婚だってできる
本当は父親が同じで血が繋がっているという事実を知っているのは
お父さんが亡くなっている今となっては
お母さんと
灰谷さんと和虎さんだけ
灰谷さんと和虎さんは私達の関係を認めてくれている
あとは
お母さん
「お母さんには、私達のことを認めてもらうんだって決めてるの。
もし認めてもらえなかったとしても、この愛を絶対に諦めはしないんだって、飛行機の中でずっと考えていたの」
「そんな決心をしてくれていたんだな‥‥」
柊は愛おしそうに
私の頬を
髪を
何度も撫でて
「もっと近くにいたい‥‥俺の膝の上においで、萌」
熱っぽく囁かれて
手を引かれるままに
私は柊の膝の上に座った。
柊は顔が見えるように私を横向きに座らせて
逞しい腕を背中に回す。
「重くない‥‥?」
「軽いよ。天使には羽があるって言っただろ」
本当に萌は俺の天使だ、と柊は甘やかに微笑んで
そして
「‥‥あのな、萌。
兄妹だったのは、夏巳とKENTAROだけだ。禁忌の関係にあったのは、夏巳とKENTAROだけだったんだ」
「え‥‥?」
「萌。俺達は兄妹じゃなかったんだよ」
兄妹じゃなかった
どういう
こと
───‥‥妹の夏巳を‥‥無理やり抱いたのだから‥‥───
KENTAROさんの告白が
蘇った。
まさか
「俺は、夏巳とKENTAROの子供だったんだよ」