禁断兄妹
第9章 運命の出会い
俺は萌を膝に乗せたまま食事を始めた。
食が細いと言う君島さんの言葉に反して
萌は運ばれてくる皿のほとんどに興味を示してあれこれ食べたがり
俺はその度に
スプーンやフォークで小さく切り分けて萌の口に運んだ。
「美味しい?」
俺の言葉に笑顔で頷いたり
顔をしかめたりする萌
可愛くて
面白くて
俺はせっせと萌の世話を焼いた。
萌にかまい過ぎて
君島さんとはろくに会話をせずに会食は終わったけれど
萌にかける言葉の端々から
ちょっと天然ではあるけれど
萌への愛情と
優しい母親の顔を感じた。
別れ際
君島さんに抱かれて小さく手を振る萌に
俺は笑って手を振った。
またな、萌
と
なんのためらいもなく
言葉が出た。