禁断兄妹
第91章 禁兄 The Final~Love Never Dies~①
「うん?」
「柊も、若くて人気がある‥‥」
「俺の女性関係について聞いているのかな?」
柊が悪戯っぽい表情で
横から私の顔を覗き込む。
「うん‥‥」
この七年間
柊は雑誌や動画の中で恋人の存在について聞かれた時はいつも
世界中の全てのファンが恋人だと答えていて
女性関係の噂もそれなりにあった
本当はどうだったんだろう
「‥‥男の人の心と身体は別だって聞いたことがあるし、だからもしそうだとしても、柊を責める気は少しもなくて‥‥だってこんなに素敵な人なんだもの、すごくモテると思うし‥‥」
楽し気な微笑みを浮かべ
黙って聞いている柊
その視線に心が乱れて
何が言いたいのかわからなくなってきて
俯いた。
柊はクスクスと笑って
その振動が私の身体を甘く揺らす。
「俺の心と身体が、別だと思う‥‥?」
ウエストに回されている両手に少しだけ力がこめられて
ドキンと胸が鳴る。
「俺は、萌に片想いをしているタカシとは違うよ。俺は七年前からずっと萌の恋人だ」
静かな情熱を秘めた声で囁かれて
その熱が全身に広がっていく。
「萌以外の女性と浮気するなんて、俺には考えられない。だからこの七年間、女性と関係を持ったことは一度もないよ。でも一ノ瀬柊はセクシーなイメージで売っていたからね、七年も女っけ無しだなんて口が裂けても言えなかったから、女性関係の噂は逆にありがたかったかな」
顔を上げると
私だけを映す瞳と
視線が甘やかに絡まる。
「俺の心と身体は一緒だよ。たとえ浮気してもいいって言われても、できないな。萌しか抱きたくないし、萌じゃなきゃ嫌だ」
私も
私も同じ
柊じゃなきゃ嫌
「柊‥‥ずっと待っていてくれて、本当にありがとう‥‥」