テキストサイズ

禁断兄妹

第10章 時は流れて


あん時の柊兄やばかったー
殺されるかと思ったわー
でも余計好きになったわー

和虎はことあるごとにそう言った。

撮影現場で和虎と一緒にいる俺は
よくゲイに間違われるが
気にしない

そんなことも
和虎が俺を慕う一因らしい。


「久しぶりに一緒の撮影だったから、夜は空けておいてくれると思ったのに」


和虎はまるで愛人のような台詞を吐いて
俺のシャツをつんつんと引っ張る。

いつものことだが
その仕草が笑える。


「悪い。又今度な」


「なに、またオンナー?」


女嫌いの和虎が嫌味な声を出す。

俺には小学生の頃から
常に彼女がいて
女を切らすことがなかった。

二股をかけることはなかったけど
どんな女も長くは続かなかった。

はっきり言って
俺にとってはみんなセフレみたいなものだったし。


「今日は違う」


「じゃあ、また萌ー?」


「‥‥またって言うな」


和虎だけには
表向きは兄妹である俺と萌が
本当は血が繋がっていないこと

俺が萌を
妹としてじゃなく一人の女として大事にしていることを
明かしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ