テキストサイズ

禁断兄妹

第12章 コイワズライ


「‥‥この前の日曜日、俺、萌とお祭りに行くって言ってたろ」


「うん」


「その時に萌から‥‥小さい頃、俺と結婚できないって知った時ショックだったとか言われてさ」


「えっ」


和虎が目を輝かせる。


「今でも俺が理想の人だとか、言われてさ」


「ええっ!」


「それがかなり嬉しかったっていうか‥‥」


「うんうん!!それ嬉しい!」


和虎は期待に満ちた目で
俺の次の言葉を待っている。


「それで?!」


「‥‥それだけだよ」


俺はタバコをもう一本取り出して
火をつけた。


「え‥‥柊兄はその時何か言わなかったの?」


「ああ」


「‥‥マジで?」


和虎は目を丸くしている。

俺が煙を吐き出しながら頷くと
和虎はちょっと黙った。

タバコの火を消すと俺に向き直る。


「それって、告白する絶好のタイミングだったんじゃないの?なんで言わなかったの?」


「‥‥」


「再婚のこと、お父さんから口止めされてるのは知ってるよ。でもさ、その時柊兄の口から言っちゃっても良かったんじゃない?」


さっきまでの茶化すような口調じゃなくて
真面目な口調

俺は黙りこむしかなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ