禁断兄妹
第12章 コイワズライ
和虎の言うことはもっともだ
俺もその通りだと思う。
はっきり言ってしまえば
あの時俺は
おじけづいたんだ
本当のことを知った萌がどんな反応をするか
怖かったんだ。
ずっと家族だと信じていた俺が
本当は他人だったと知ったら
萌はショックを受けるかも知れない
いやショックを受けるのは当然だろう
俺を拒んだり
嫌いになったりするかも知れない
そんな考えが頭をよぎって
真実を伝えることを
告白することを
ためらってしまった。
「今からでも遅くないんじゃない?早く言ってしまったら?」
和虎は優しくそう言うと、ねっ?と微笑んだ。
「‥‥まだ言えないんだ」
「え?」
「父さんがさ‥‥出張から戻るまで待てって。俺に話があるとさ」
「‥‥どういうこと?」
「俺もよくわからねー‥‥」
俺は二本目のタバコを
灰皿に押しつけて揉み消した。